インタビュー
”自然を畏怖する心”が
サステナブルな未来を創り出す
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札幌市の西部、浩々と広がる深い緑の山間を望む丘の上に、鈴木 果澄さんのアトリエがある。

出迎えてくださった果澄さんは、学生時代の美術部の仲間を想わせるような、肩の力の抜けた柔らかな物腰が印象的だった。

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通された果澄さんのアトリエは、ほのかに木と墨の薫りが漂う、隅々まで掃除の行き届いた清々しい空間。

天井には、果澄さんが描いた可愛らしい動物が描かれた手作りのモビールが、微風に柔らかく揺れている。

本棚には、文学から科学まで幅広いジャンルの本が並ぶ。

そんな"好奇心"と"癒し"が同時に満たされたアトリエには、常にアンテナを張り巡らせながら新しい世界を模索し続ける、果澄さんのひたむきな姿勢が投影されているようだった。

『里山』には
”サステナブルな暮らしのモデルがある”
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サステナブル……「持続可能な」という意味を持つこの単語は、今世界的な言葉の潮流の先端にあるキーワードだ。

丸井今井・札幌三越が7月から開催する「未来につづく心地よい暮らし~Sustainable Life~」も、そんなトレンドを意識した新しい試み。

環境に優しく、シンプルでエコな暮らしを提案することで、私たちが愛する北海道の自然を守りながら「持続可能な新しい暮らし方」を皆で実践しようというこの企画。

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果澄さんはイラストレーターとして、この企画で販売するショッピングバックのデザインのほか、ウィンドウのデザインを担当していただいている。

この企画が果澄さんの元に届いたとき、ちょうど果澄さんの中で「サステナブル」な気づきがあったのだそう。

「少し前なのですが、たまたま里山事業をしてる方たちから『里山』についてのお話をお聞きしたんです。

『里山』って、漠然とぼんやりとしたイメージだったのですが、人の手が入った森や山であって、日本の原風景というようなことを聞きました。

その後、自分で調べて見てた記事の中で、

『里山』は『里山』だけで在るのではなく、生産活動となる『里山』、消費など行われる『都』、そしていわゆる守り神のような存在がいる『山』。

この3つがあってはじめて『里山』が成り立つ、という考えを持っている方の記事を読んだんです。

そのときに、自分の作品で描きたいと思っているものと何かつながるものを感じたんです。

また同時に、『里山』には”持続可能な社会の持続可能な暮らしのモデルがある”という話も聞きました。

ちょうどそんなことを知ったときに、丸井今井・札幌三越から『未来につづく心地よい暮らし~Sustainable Life~』という企画でウィンドウデザインのお話をいただいたんです。

こんなタイミングでつながる話があるんだなぁと驚いています。」

まるで丸井今井・札幌三越の想いが、先んじて果澄さんの心に届いたかのようなシンクロニシティに、私たちの胸も踊り、会話は一気に弾み始めた。

太陽に手を合わせたときの感覚を、
絵という”地図”に残したい
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『神話』をキーワードに、数年間続けている個展について尋ねると、果澄さんはアトリエの奥に立て掛けてあった制作中の大きな絵を出してくださった。

2年半かけてまだ加筆の途中というその絵は、畳一畳分はある大きな和紙の上に、墨で描かれた”ケモノたちの魂の慟哭”といった印象の大作。

日頃、さまざまな企画で目にする果澄さんの、あの愛くるしい可愛らしさに溢れた動物たちのイメージとはまるで違う”正反対の極のような激しい作風”に、私たちは舌を巻いた。

果澄さんの求める『神話』とは、ひとりの画家として自分の内側へ降りていき、そこで見える景色を描くことなのだそう。

その世界は、フロイトでいう”集合的無意識”のように、地球上のあらゆる生物とつながっている空間。

太陽に向かって手を合わせたときの、あのぬくもりに包まれた感覚。

自然に湧き上がる”ありがたい”という感謝の念。

「そんな感覚をずっと忘れないために、いつでもたどり着けるように”地図”を描いている感じなんです。」

果澄さんの、そんな研ぎ澄まされた芸術家としての世界観に一気に引き込まれた私たちは、心を洗われるような感覚に包まれた。

そういえば以前、ある世界的に有名な小説家も同じようなことを述べていたことを思い出した。

おそらく果澄さんは、芸術家として特別な力を与えられた”天賦の才能”のひとりなのだろう……。

”自然”とサステナブルな関係に
なるために、
私たちが意識すること
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仕事の合間に近くの森や公園への周辺を散歩するとき、ふと自分と自然との”境界線”を強く意識することがあるのだそう。

「夕方になって急に『ここから先は来てはいけない』と森に言われている、そんな気がすることがあるんです。」

そんな果澄さんの”目に見えないものに対する人一倍鋭い感覚”や”自然を敬い恐れる感覚”が、まるで魂が宿しているかのように生き生きとした表情を織りなす果澄さんの作品の根底に、静かに流れているような気がする。

それは、彼女自身が大切に守り続けている「サステナブルな自然との共生」から生まれた才能なのではないだろうか。

自然への畏敬の念を忘れてしまった私たち人間たちに「サステナブルな自然との共生」をもう一度思い起こさせるために……。

南西に向かって開かれた大きな窓。

低い尾根を尖らせた濃い緑の山々が一望できる、この窓があるアトリエが大好きだという果澄さん。

この大きな窓から見える、雄大で、暖かく、優しく、そしてときに恐ろしい北の大自然が、今日も果澄さんの創作意欲に火をともし続けている。

(ライター 末次鴻子氏)

鈴木 果澄さんがデザインしたショッピングバッグを限定販売いたします。

ファッション
鈴木 果澄さんがオリジナルでイラストを起こしたショッピングバッグ。
北海道に生息するシカやキツネなど、
愛嬌たっぷりのイラストが施されたカラフルなデザインです。
丸井今井・札幌三越オリジナルショッピングバッグ
H40×W51cm(持ち手部分含まず)、8色
各1,320円
丸井今井 一条館7階 家庭用品・
札幌三越 本館8階 リミックススタイル
※7月1日(水)より販売
※数に限りがございます。
※写真はイメージです。