丸井今井
創業150周年
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札幌三越開店90周年
記念特別
インタビュー

㈱札幌丸井三越 代表取締役社長
神林 謙一(かんばやし けんいち)

北海道から、日本へ、世界へ。
地域と共生し、新しい時代をフロンティアする。

北海道・札幌を代表する百貨店「丸井今井」「札幌三越」。1872年に小間物屋として産声を上げた丸井今井、1932年に札幌に登場した札幌三越は、2011年4月に「札幌丸井三越」として統合し、今年それぞれ創業150周年・開店90周年を迎えます。周年イヤー初日となる今日、同社の神林社長に記念インタビューを行い、これまでの歩みを振り返るとともに、未来に向けた展望を聞きました。

地域・人々に寄り添いながら、2店が競い合うことで発展

ー周年を迎えた、今のお気持ちをお聞かせ願います。
 丸井今井が150年、札幌三越は90年という長い間、お客さまにご愛顧いただいていること、そして地域の皆さまのご支援、また諸先輩方のこれまでの挑戦や努力のお陰で今日まで営み続けられていることに心より感謝しております。札幌三越が1932(昭和7)年に開店してから2011(平成23)年の会社統合までの期間、両店は長らくライバル関係にありました。札幌三越の開店時、丸井今井が「見るは三越、買うは丸井キャンペーン」を行ったことがそのきっかけですが、以降、店舗改装やイベント等で互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、それぞれの暖簾(のれん)を創り上げてきました。こうした歴史が人を育み、文化・コミュニティの創造に貢献してきたと考えています。

ー両店が長年お客さまに愛される理由はどのようにお考えでしょうか。
 北海道の発展の歴史と共に歩んできたからだと思います。丸井今井は明治初期に大火で何度も街が消失した際、消防用としてポンプ車を札幌市に寄贈した逸話があります。札幌三越は開店時に、道内では初めて地下フロアを売場にする、初めて美術工芸品展を開催する等、三越が開業したことで「北海道の文化を10年は早めたと評された」と聞いています。また両暖簾とも道内の各都市に店舗や小型店を展開したことで、全道のお客さまとの接点を広げることができています。こうした積み重ねが市民、道民の皆さまからご支援をいただけた理由につながっていると感じています。

1872年創業当時の丸井呉服店

1932年開店時の札幌三越の新聞広告

「北海道のいいもの」を世界へ届けるという使命がある

ー社長が感じる北海道・札幌の魅力についてお聞かせ願います。
 世界屈指の手つかずの大自然と、日本屈指の経済圏が隣合せにあるところに魅力を感じています。大自然が隣接していながら、ここまで経済が発展した都市は世界に類を見ないと聞きます。北海道に来てみなければ体験できない、感じることのできない魅力が沢山あり、多くの観光客の方々がいらしてくださっています。ただ、北海道からの発信は、“食”を除くとまだまだ限定的に感じます。そこで「北海道から世界へ」を私たちのスローガンの一つに掲げ、北海道の誇る人、文化、物産品等を発信していきたいと考えています。

ーその言葉に込めた意図をお教えください。
 丸井今井は北海道の開拓と共に歩み、道民とともに食・ファッション、文化を育んできました。また札幌三越は日本、世界との結節点として道民に食・ファッション、文化を紹介してきました。そして現在、北海道には食、ファッション、クラフト、クリエーション、アート等さまざまな魅力があるとともに、未知なる可能性があります。私たち、株式会社札幌丸井三越で働く1,000余名の従業員は、これらの魅力、可能性を道内外の人々にあらゆる手段を活用して伝えていく使命があると考えています。従業員一人ひとりが、“北海道の魅力をお届けするプロ”になりたいと考え、日々研鑽しています。

これからも北海道にフロンティアを

ー周年にかける社長・御社の想いをお聞かせください。
 今日の私どもがあるのは、北海道の開拓時から、行政・地元の企業とともに、北海道に暮らすお客さまとともに北海道を創り、歩み続けられていることに尽きます。そして次の節目でもそうありたいとの想いを強く持っています。私たちは、さまざまな歴史をたどってきましたがその間、豊かさの指標は変化し、価値観は多様化し、今は未来を見通すのが困難になってきています。長年、お客さまのニーズと商品・サービスを結びつけてきたマッチングプラットフォーマーとして、今まで以上に、これからもお客さまの暮らしのフロンティアでありたいと想い周年のテーマに入れています。そして今回の周年イベントを通じて、この想いを発信していけたらと思います。

ー最後に読者へメッセージをお願いいたします。
 当社はこれからも高感度で上質な商品・サービスを通じ「北海道に暮らす人たちに心豊かさを提供する」企業で在り続けたいと考えています。そして次の150年、90年もお客さまの暮らしを、北海道の未来をフロンティアし続け、お客さまとともにあり続ける覚悟ですので、今後ともご愛顧をお願い申しあげます。

北海道新聞 2022年1月1日(土)付 朝刊 企業広告より抜粋